合格者の声

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2026/01/20NEW

【企業経営アドバイザー】勤務医 続木 惇 さん 医療現場の課題を正しく捉え、経営の力で未来を拓く医師を目指して

企業経営アドバイザー検定試験合格
勤務医
続木 惇さん
2025年1月認定

医療現場の課題を正しく捉え、経営の力で未来を拓く医師を目指して

これまでのご経歴と現在のお仕事について教えてください。

私は、2013年に医師免許を取得し、現在は医師として13年目を迎えます。北海道大学第二内科の医局に所属し、大学医局の人事のもと、札幌市内から道内各地の病院へ赴任しながら臨床経験を積んできました。釧路、帯広、滝川など地方病院での勤務も経験し、主に糖尿病診療を中心に携わってきました。現在は糖尿病専門病院に勤務し、糖尿病患者さんの診療に従事しています。

これまでのキャリアの中で、糖尿病専門医、内分泌専門医、総合内科専門医の資格を取得し、専門性を高めてきました。また、3年前まで大学院に在籍し、研究成果を論文として発表し、医学博士号を取得するなど、臨床と研究の両面から医療に向き合ってきました。

企業経営アドバイザーを取得しようと思ったきっかけについて教えてください。

企業経営アドバイザーの取得を考えた背景には、医師としてのキャリアにおいて一つの区切りを迎えたことがありました。糖尿病専門医をはじめ複数の専門医資格を取得し、大学院での研究を経て医学博士号も取得しましたが、目標としてきたものをすべて達成した後、日々の業務内容や働き方が大きく変わるわけではないことに気づきました。診療そのものにやりがいは感じている一方で、これ以上どこを目指して成長していけばよいのか、次の目標を見失ってしまい、悩む時期がありました。

原点を振り返る中で、小学校高学年の時に、経営の神様である松下幸之助さんの伝記を読んで感銘を受け、経営や組織づくりに強い関心を持ったことを思い出しました。

実際、日本の病院の多くが従来の運営の延長線上では立ち行かなくなっています。病院も戦略的に経営を考えていかないと生き残れない時代ですが、医療現場では、経営戦略やマーケティングといった視点が十分に浸透していないということは常に感じていました。そういった動機で経営について勉強したいと考え色々調べていたところ、企業経営アドバイザーの資格に出会いました。

学習中に得られた知識などで実務の現場でも活かせそうだと感じた点はありますか?また、他の人に薦めたい学習内容はありましたか?

学習を通じて特に実務に活かせそうだと感じたのは、一見すると医療現場とは無縁に思える分野の知識でした。なかでも印象的だったのが生産管理の考え方です。学習を始めた当初は、正直なところ、多分現場では使わないだろうと感じていました。しかし、学びを進めるうちに、手待ち時間の削減やボトルネックの特定といった考え方は、病院の外来業務にそのまま当てはまることに気づきました。

診察可能な状態にもかかわらず患者さんのカルテが回ってこない原因が、カルテを運ぶ事務員の不足や診察前の採血を担う看護師の不足にあるなど、外来の待ち時間を生む要因が現場の至るところに存在しています。仮に人数を充足させたとしても、業務フローの中に付加価値を生まない「ムダ」が残ったままであれば真の解決にはなりません。生産管理の視点はそれらを可視化する有効な手段だと感じました。現在は経営判断を担う立場ではありませんが、学びを通じて問題点に気づき、改善案を言語化して上層部に提案できるようになったことは小さな一歩だと思っています。

経営戦略やマーケティングの学習も強く薦めたい分野です。患者満足度や組織の持続性を高めるには、現場任せではなく戦略的な視点を共有することが欠かせません。SWOT分析や3C分析といったフレームワークは、病院の立ち位置を客観的に捉える助けとなり、組織変革の土台になります。組織変革のためのコアメンバーに必要な知識が、企業経営アドバイザーには凝縮されていると思っています。

また、私の妻は広告代理店や広告制作会社での経験を経て独立し、WORDHIKEというコピーライティングの事務所を立ち上げています。身近にマーケティング関係の相談相手がいるのはすごくありがたいことだと思っています。広告関係の仕事を長いことやってきた妻から色々学びを得ることも多く、ここから学んだことと経営戦略やマーケティングの学習経験をあわせて実務の場で活かしていきたいと思います。

対話力向上講習を受講した感想を教えてください。

対話力向上講習を受講してまず印象に残ったのは、アドバイザーやコンサルタントは、最初は相手から警戒される立場にあるものの、信頼関係が築かれれば、むしろ相手から相談される存在になるという考え方でした。「信頼されるとはどういうことか」をオリエンテーションの段階で体系的に学べたことは大きな学びでした。

一方で、ロールプレイを通じて、知識として理解していても実践では相手の本音を引き出す難しさを痛感しました。受講者には金融業界やベンチャー企業の経営経験者など多様な背景の方が多く、医療職しか経験してこなかった自分にとっては、普段関わることのない職種の方と意見交換ができたことで視野が広がり、とても良い経験になりました。

講習を通じて改めて感じたのは、小手先の話法ではなく、相手の言葉に耳を傾け、要所で問いかけを行うというコミュニケーションの基本の重要性です。特に経営デザインシートの考え方は、診療現場でも有効でした。患者に将来どうなりたいかを問い、その姿からバックキャストして治療目標を設定することで、受け身になりがちな治療姿勢を主体的な行動へと導くことができます。未来像を言語化し、そこに向けた具体的な行動を一緒に描くという企業経営アドバイザーの対話の姿勢は、日常診療に確実に活かされています。

企業経営アドバイザーの学びを、今後どのように仕事や社会に活かしていきたいですか?

企業経営アドバイザーとしての学びは、まず現在の勤務先での現場改善に活かしていきたいと考えています。外来患者の待ち時間を減らし、業務の無駄を省くことで、スタッフが効率的に動ける働きやすい職場環境を整えることが第一歩です。また、組織内で方向性がばらつきがちな状況に対し、共通の理念や目標を共有し、組織を一つのベクトルにまとめる役割も担っていきたいと考えています。

その中心となるのが経営デザインシートを活用した戦略立案です。経営とマーケティングの視点を取り入れた取り組みを実践し、成果を積み重ねていくことで、将来的には同様の課題を抱える他の医療機関へとそのノウハウを広げていきたいと考えています。

さらに、実体験をもとにした「病院再生」のストーリーを形にし、書籍などを通じて医療現場に経営の考え方を伝えることも目標の一つです。簡単に達成することはできない目標だと思いますので、これでもう目標を見失って悩むことはないですね。

これから資格取得を目指す方へのメッセージをお願いします。

これからのキャリアの方向性に迷っている方や、日々のルーチンワークの中で成長の実感を持てずにいる方には、ぜひ企業経営アドバイザーへの挑戦をおすすめしたいです。私自身、同じ仕事の繰り返しに行き詰まりを感じたことが、この資格取得を目指すきっかけでした。この資格は、現状を変えたい、視野を広げたいと感じている方にとって、新たな目標や可能性を見つける手助けになると思います。

「アドバイザー」という名称から、コンサルタント向けの資格という印象を持たれがちですが、実際には経営者自身が自社の発展のために学ぶことにも大きな価値があります。自分自身の意思決定やキャリアを導くための知識が体系的に身につく資格ですので、自分自身の「アドバイザー」となるためにも、多くの方に挑戦してほしいと思います。