合格者の声

VOICE

2026/06/18NEW

【企業経営アドバイザー】愛知県信用農業協同組合連合会勤務 木下 俊一さん 農業者の持続的な発展を支援できる人材を目指して

企業経営アドバイザー検定試験合格
愛知県信用農業協同組合連合会勤務
木下 俊一さん
2026年1月認定

農業者の持続的な発展を支援できる人材を目指して

これまでのご経歴と現在のお仕事について教えてください。

私はJA愛知信連(愛知県信用農業協同組合連合会)に勤務しています。JA愛知信連は、県下JAの信用事業(金融事業)運営のサポートを行うほか、県域を営業エリアとする農業専門金融機関・地域金融機関としてJAとも協調して金融サービスを提供することにより、JAと一体となって、組合員、地域利用者および企業など、地域の方々に役に立つ金融サービスを提供しています。

これまで、JAで取り扱う金融商品・サービスの開発やこれら商品等の推進支援のほか、JAの事業計画策定などの経営管理に関する支援などに携わってきました。その後、同じJAグループ内の組織であり、県や国の農業施策に対する要請活動や地域農業の振興を図るJA営農部門に対する支援などに取り組むJA愛知中央会へ2年間出向し、営農部門で栽培指導や肥料・農薬の提案などを担うJA職員の活動支援に従事しました。

帰任後、現在所属している食農法人営業部コンサルティンググループへ配属され、融資取引先の農業者や農業法人(以下「農業者」といいます。)への経営支援に加え、JAが行う農業経営支援のサポートも担当しています。当グループでは、農業者の経営課題の整理や改善提案、事業承継支援など、金融支援にとどまらない伴走型支援が求められています。

農業を取り巻く環境は厳しさを増していますが、JAグループのネットワークを活用しながら、農業者の持続的な発展を支援できる人材を目指しています。

企業経営アドバイザーを取得しようと思ったきっかけについて教えてください。

取得を目指したきっかけは、コンサルティンググループへ配属されたことです。それまで金融やJA運営支援には携わっていましたが、経営コンサルティングを体系的に学んだ経験はなく、財務分析や経営戦略、中小企業支援施策などの知識もほとんどありませんでした。

現在の業務では、農業者の課題解決に向けた提案や伴走支援が求められます。そのため、経営全般を学ぶ必要性を感じていたところ、上司から企業経営アドバイザーを紹介されました。

新しい部署で一日でも早く戦力になりたいという思いで「まずは経営の基礎を身につけよう」と学習を開始しました。部署には経営に関する知識が豊富な中小企業診断士や公認会計士の資格保有者が複数在籍していることも大きな原動力となりました。

学習中に得られた知識で、実務の現場でも活かせそうだと感じた点はありますか?また、他の人に薦めたい学習内容はありましたか?

特に役立っているのは財務分析の知識です。農業経営支援では、現状把握のために財務分析を行う場面が多くあります。学習を通じて、収益性や安全性などを示す各種指標の意味や計算方法を理解できるようになりました。

一方で、財務分析だけで課題が見えるわけではありません。数字をきっかけに経営者との対話を深め、「なぜこの結果になったのか」を経営者と一緒に考えることが重要だと学びました。実際に現場でも、課題整理やヒアリングの入口として活用しています。

また、各種支援施策や補助金制度、株式会社の機関設計、知的財産権など、これまで触れる機会の少なかった知識も学ぶことができました。事業承継やブランド化、販路拡大など多様なテーマについて経営者と対話する際に役立っています。

さらに、新聞や経済ニュース等で拾える情報の幅が広がったことも実感しています。また、企業経営アドバイザーの学習は、知識の習得だけでなく、経営者との対話の質を高める土台になったと感じています

学習方法や、学習継続の工夫を教えてください。

基本的には講義動画を視聴し、その後に問題演習を繰り返しました。平日は仕事後に2〜3時間、休日にはもう少しまとまった時間を確保して学習しました。平均すると1日4時間程度は勉強していたと思います。

継続できた理由の一つは職場環境です。周囲に前述の有資格者かつコンサルティングの経験が豊富な職員が複数おり、良い刺激を受けていました。また、学んだ内容が実務に直結していたため、学習のモチベーションを維持できていたと思います。

対話力向上講習を受講した感想を教えてください。

まず印象に残っているのは、TACのWeb通信講座でお世話になった講師の先生と実際にお会いできたことです。

講習では、経営者との対話において信頼関係づくりが重要であり、そのためには相手への好奇心を持ち、傾聴し、肯定や共感を示すことが大切だと学びました。また、面談前の情報収集やヒアリングのポイントなど、実践的な内容も多く学ぶことができました。

一方で、グループワーク形式のロールプレイングでは、自身の課題も痛感しました。限られた時間で適切な質問を行い、相手の本音や課題を引き出すことの難しさを実感したからです。

特に、質問力や深掘り力にはまだ改善の余地があると感じました。ただ、その気付きこそが大きな収穫だったと思います。対話力は知識だけでは身につかないため、今後も実務経験を重ねながら磨いていきたいと考えています。

企業経営アドバイザーの学びを、今後どのように仕事や社会に活かしていきたいですか?

今後は、企業経営アドバイザーで学んだ知識と対話力を活かし、農業者の持続的な経営につながる支援に取り組んでいきたいと考えています。

農業を取り巻く環境は厳しくなっていますが、農業者が安定して利益を確保し、将来にわたって経営を続けられることが重要です。そのためには、栽培技術だけでなく経営面の支援も欠かせません。

学習を通じて得た財務分析や課題整理の知識、経営者との対話力を活かし、一人ひとりに寄り添った伴走支援を行っていきたいと思います。また、JAが行う農業経営支援のサポートにも力を入れ、農業者支援の体制充実に貢献したいと考えています。

農業は日本の食料供給を支える重要な産業です。農業者の持続的な成長が食料の安全供給にもつながるという思いを持ちながら、今後も地道に支援を続けていきたいと思います。

これから資格取得を目指す方へのメッセージをお願いします。

事業者支援の経験が浅い方や、経営知識に自信がない方には、ぜひおすすめしたい資格です。私自身、コンサルティング業務の経験がない状態から学習を始めましたが、企業経営の基礎を体系的に学ぶことができました。事業者支援に必要な知識を身につける第一歩として、とても有効な資格だと思います。

まずは学習を通じて経営を理解し、支援者としてのスタートラインに立つ。そのきっかけとして、多くの方に挑戦していただきたいと思います。