【相続】定期預金と普通預金で、何が違う?
DATE26.05.22
こんにちは、ファイナンシャル・プランナーの藤原です。
土地や建物、車や株式などは、必ずしも誰もが持っているものではありませんが、銀行などに預貯金をまったく持っていないという人はほとんどいないでしょう。
そしてもちろん、その人が亡くなれば、その預貯金は相続財産となります。
今回のテーマは、そんな「預貯金の財産評価」です。
定期預金の評価は、預入金額だけでない
まず、定期預金や定額貯金などの定期性預貯金の場合、その評価は以下のとおりです。
課税時期の預入高+既経過利息(源泉徴収税額を差し引いたもの)
なお、既経過利息とは、その名のとおり、既に経過した期間に対して発生している利息のことです。
まだ満期を迎えておらず、利息を受け取ってはいなくても、預入時から課税時期(相続開始時)までの期間については利息が発生しているので、その分は財産とされるわけですね。
既経過利息の計算は、中途解約扱いで
そして、ここがポイントなのですが、その既経過利息の計算に適用される利率は、預入当初に表示された利率ではなく、課税時期(相続開始時)に中途解約した際の利率となります。
たとえば、預入金額100万円・金利1%・期間2年の定期預金の保有者が、その預入から1年後に死亡(相続開始)したとしましょう。この場合、おそらく既経過利息は、100万円×1%×1年間とはならないでしょう。
なぜなら、表示された利率は、あくまでも「満期まで預けたときの利率」であって、一般には、中途解約時の利率は、それを下回るケースが多いからです。前例であれば、既経過利息の計算に適用される利率は、1%を下回る可能性が高いと思われます。
なお、中途解約時の利率は、金融機関や預貯金の種類、解約のタイミングなどによって異なります。
ですので、実務的には、自分で勝手に計算するのではなく、金融機関に残高証明書・既経過利息計算書の発行を依頼することとなります。
また、預貯金の利息については20.315%の税金が天引き(源泉徴収)されるので、その天引きされる税金分については、前述の計算式にも記しましたが、その財産評価から差し引かれることになります。
普通預金の評価は、基本、預入金額だけでよい
そして、普通預金や通常貯金などの、定期性預貯金以外の評価については、既経過利息の額が少額なものの場合は、「課税時期の預入高」となります。すなわち、定期性預貯金の評価とは違って、既経過利息は無視してもかまわないのです。
一般に、普通預金などの金利は極めて低く、また、普通預金などに大金を入れているケースは少ないので、その既経過利息の額も数百円~数千円程度と微々たる金額であることがほとんどですからね。その程度であれば、「少額なもの」としてみなされることでしょう。
とはいえ、中には、普通預金などに数千万円~数億円もの大金を預けている人もいるかもしれません。
その場合、たとえ金利が極めて低くても、その既経過利息の額は「少額なもの」とは言えないケースもあり、その場合は、既経過利息も評価に加えなくてはいけません。
もっとも、既経過利息の額については、いくらまでなら「少額なもの」なのかといった基準は明示されておらず、その判断は税務署に委ねられています。ですので、既経過利息が微々たるものとは思えないようなら、税務署に確認したほうがよいでしょう。
なお、定期性預貯金については、その既経過利息の額にかかわらず(たとえ少額でも)、必ず、その額を評価に含めなければいけないので、ご注意を。
ファイナンシャル・プランナー
藤原 久敏