【年金】老後の不安は“知識”で小さくできる~公的年金を学ぶという安心
DATE26.02.18
こんにちは、ファイナンシャルプランナーの横川由理です。
今回のテーマは、「老後の不安は“知識”で小さくできる~公的年金を学ぶという安心」です。
公的年金を「知らない不安」から「知って備える安心」へ
「老後2,000万円問題」という言葉が独り歩きしてから、老後への不安はすっかり“常識”のように語られるようになりました。物価上昇、長寿化、医療費の増加――。不安材料を挙げればきりがありません。
けれど、その不安の正体は、“足りないこと”ではなく、“知らないこと”である場合が多いと感じています。その代表例が、公的年金です。
公的年金を知ると、老後の「見えない不安」が「数字」に変わる
老後が不安だという方の多くは、「いくらもらえるのか分からない」「年金だけでは足りない」という、漠然とした情報の中にいます。
しかし、公的年金の仕組みを理解することで、将来の受給額を計算することができます。あるいは、誕生月の前後に送られてくる「ねんきん定期便」を見てください。これまで納めた保険料に応じた年金額を知ることができます。
ねんきん定期便は、日本年金機構から送られてくるお知らせです。実は、50歳未満と50歳以上で将来の年金額の表示方法が大きく異なっているので注意が必要です。
50歳未満のねんきん定期便~ねんきん定期便受取時点での実績ベース
50歳未満の年金見込額は、ねんきん定期便を作った時点での加入実績に基づく金額が表示されています。これは、今仕事を辞めたら、あるいは、これ以上保険料を納めなかったら「○○円」という前提です。
50歳以上のねんきん定期便~ 今の働き方が60歳まで続くことが前提
50歳以上になると、表示方法が大きく変わります。それは、現在の加入条件(保険料の納付状況)が60歳まで続いたと仮定した見込額が表示されています。つまり、今の給与が60歳まで続いて、保険料を納付し続けた場合の見込み額です。そのため、50歳未満と比べて年金額が急に多く表示されることから、驚かれる人も多いのではないでしょうか。
年金額がわかれば、必要な貯蓄額を知ることができます。このように、数字が見えてくると、漠然とした不安が、具体的な対策へと変わるのです。
遺族年金を知らないまま生命保険を選んでいませんか?
もう一つ大切なのが、遺族年金の理解です。万一のとき、家族にいくら残せばよいのかは、生命保険の保険金額を考える上で最も大切です。ところが、実際には、「多めに入っておけば安心」「営業担当に勧められたまま」というケースも少なくありません。
しかし、遺族年金を知ることで、いくら支給されるのかが分かります。すると、
必要保障額=生活費や教育費などの支出-遺族年金-その他の収入
という計算ができるようになります。子どもの独立などのライフイベントにより、必要保障額は変化します。若いころのままの保険を、何となく続けていませんか?
適切な金額の生命保険に加入すると、死亡時に保険金が少なすぎて困ることもなく、反対に、加入しすぎて多額の保険料を払い続けることもなくなります。ただし、物価の上昇などを考えて少し多めに加入するとよいでしょう。
年金制度は変わる。だからこそ、正しく学ぶ
さらに重要なのは、年金制度は変わるということ。遺族年金は、2028年から改正が予定されています。つまり必要保障額の考え方も変える必要がある時代になりました。年金制度の改正は、保険の見直しや老後設計に直結します。
公的年金を学ぶことは、“守りの基礎”を知ることです。基礎が分かれば、どのくらい貯めればよいか、どんな保険が必要か、投資はどこまでリスクを取れるかなど、すべての判断が変わります。
知識というものは、お金を直接増やすわけではありません。けれど、無駄な出費を減らし、過剰な不安を小さくし、人生の選択肢を広げてくれます。年金を体系的に学ぶことで、不安に振り回されるのではなく、知識を味方につけて、老後を設計してみませんか。
ファイナンシャルプランナー
横川 由理