【企業】テーマ1:エフェクチュエーション①
DATE26.10.14
皆様、こんにちは。資格の学校TACで、企業経営アドバイザー検定試験の対策講座講師(担当:企業経営・生産管理)をしている、中小企業診断士の三枝元です。今回は、不確実性の高い状況での起業の進め方である「エフェクチュエーション」について2回に分けて述べたいと思います。
従来の起業の考え方
これまでの一般的な起業の考え方は、「達成したい目的を先に設定し、その目的を実現するために必要な手段を合理的に選択する」というのが主流で、現在でも中小企業支援の現場では基本的な考え方となっています。これをコーゼーション(因果論)といいます。コーゼーションの流れは次の通りです。

VUCA(ブーカ)の時代の企業の考え方
これに沿うと、①から④のどこかでつまずくと、事業の開始(⑤)は行われなくなります。たとえば、事業のアイデアが上手く整理できない、市場調査の結果がまとまらない、予測が困難で、有効な戦略やアクションに落とし込めない、必要なヒト・モノ・カネ・情報が調達できないといった事態があると、なかなか起業には至らなくなります。
現代は、VUCA※と言われるように、市場環境や顧客ニーズ、技術などが急速に変化し、将来を正確に予測することが難しい時代です。このような状況下では、コーゼーションのような「未来を予測して、そこへ向かう」という考え方では、通用しなくなります。従来の計画を固定的に実行するだけでなく、変化を捉えながら柔軟に戦略を修正することが重要になります。
※変動性(Volatility)、不確実性(Uncertainty)、複雑性(Complexity)、曖昧性(Ambiguity)の頭文字をとった言葉です
そこで注目されているのが、サラス・サラスバシー(バージニア大学ダーデン・スクール教授)のエフェクチュエーション(実効理論)という考え方です。これは、予測できない未来を前提に、手持ちの資源や人脈を活用し、行動しながら新しい事業機会を創り出していくというものです。
次回は、エフェクチュエーションに基づく5つの行動原理を紹介します。
企業経営アドバイザー検定試験講座講師
三枝 元