ごえんをつなぐコラム

【相続】亡くなった人の預金口座は、いつ凍結されるのか?

DATE26.09.24

こんにちは、ファイナンシャル・プランナーの藤原です。
今回のテーマは、「預金口座の凍結」です。

死亡と同時に、凍結されるわけではない

亡くなった人の預金口座は凍結され、原則として、遺産分割協議が成立しない限り(そして一定の手続きををしない限り)、出金することはできません(※)。遺産分割前に出金があると、相続人間で揉め事になる可能性が高く、銀行としては、そんなトラブルに巻き込まれたくはないからですね。
※例外として仮払い制度があるが、今回は割愛(過去コラム:遺産分割前でも、単独で引き出せる金額は?で紹介しています)

ただ、死亡してすぐに、凍結されるわけではありません。
役所に死亡届を提出したら、即、預金口座は凍結されると誤解している人も多いのですが、そんなことはありません(役所と銀行は、とくに情報を共有しているわけではない)。

亡くなった人の預金口座が凍結されるタイミングは、「銀行が、預金者の死亡を知ったとき」です。
逆に言えば、預金者が死亡しても、その事実を銀行が知らない限り、その預金口座は凍結されることはないのです。

死亡した後も、出金はできてしまう

そして、銀行が預金者の死亡を知るタイミングは、銀行と預金者との関係性によってマチマチです。

たとえば、融資先や大口預金者などのように、銀行が普段からしっかり管理している預金者であれば、比較的すぐに知ることとなるでしょう。また、窓口担当者と親しい(頻繁に窓口にやってくるような)預金者の場合も、やはり、知るタイミングは早いでしょう。

しかし実際のところ、普段から銀行とこまめにコンタクトを取っているような預金者は少数でしょうから、預金者が死亡しても、その遺族から銀行に連絡をしない限り、銀行は預金者の死亡を知らないまま(凍結されないまま)であるケースは多いと思われます。

ですので、キャッシュカードのありかと暗証番号さえ知っていれば(家族であれば知っているケースは多いでしょう)、亡くなった人の預金口座から出金することは、普通にできてしまうわけです。

遺産分割前の出金は、避けるべし

「ちなみに、預金者の死亡を銀行に連絡せず、預金口座が凍結されないうちに、(遺産分割協議をしないままに)亡くなった人の預金口座から出金すると、以下のようなトラブルに繋がる可能性があるので避けるべきでしょう。」

相続人間でのトラブル

亡くなった人の預金は、その相続人の共有財産となり、遺産分割の対象となります。

それなのに、遺産分割協議をしないまま引き出してしまっては、(たとえ、自身の相続割合の範囲内であっても、また、死後の諸々の手続きのための必要資金だとしても)他の相続人からは、「こっそり自分のものにしようとしただろう」などと疑われ、相続人間のトラブルにつながる可能性は高いでしょう。

税務署に疑われるかも

亡くなった人の預金を、遺産分割をしないまま引き出すと、それは税務署からも、財産の隠蔽と捉えられる可能性も否定できません。
その引き出した預金は、きちんと相続財産として処理(申告)したとしても、そのような行為は決して印象のよいものではないですからね。

相続放棄ができなくなる

亡くなった人の預金を引き出して使ってしまうと、それは単純承認をしたと見なされ、相続放棄ができなくなる可能性があります。

単純承認とは、亡くなった人のすべての資産、そして負債(借金など)を、そのまま引き継ぐことです。
ですので、もし、負債が資産を上回っている場合には、「持ち出し」となってしまうこととなります。

 

ファイナンシャル・プランナー
藤原 久敏

 

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