ごえんをつなぐコラム

【セカンドライフ設計】リタイアが近づいている世代の方へ向けた「老後資金設計」について

DATE26.10.26

こんにちは ファイナンシャルプランナーの金井孝二です。

今回から3回にわたり、定年やシニア生活が気になり始める50代から60代の方を対象にしてコラムをお届けします。老後の収入の基盤となる「年金」や、次世代への引継ぎとなる「相続」について考えることも大切ですが、その間にある「これからの人生全体をどうデザインし、守っていくか」というテーマで、セカンドライフの設計について考えていきます。

第1回目はリタイアが近づいている世代の方へ向けた「老後資金設計」について考えます。

50代も半ばを過ぎると、子供の教育費の目途が立ち、住宅ローンも完済まであと少しという時期となり、そろそろ仕事の終わらせ方や以降のお金の心配をし始める方が多いのではありませんか。そこでこの時期にやっておきたいのが、将来の収入と支出、そして貯蓄残高を予測するためのキャッシュフロー表の作成です。

キャッシュフロー表とはExcelなどを使って、現時点の貯蓄残高および現在から将来(例えば90歳迄)の毎年の収入額(給与、年金等)と支出額(生活費その他)、大きなイベント(退職金、旅行、車の買い替え等)の予定金額を記入し、そこで毎年の収支額と貯蓄残高を試算・計算するための表です。多額の貯蓄があれば90歳時点でも残高はプラスとなりますが、赤字になるケースも少なくないようです。

このようなキャッシュフロー表は、老後資金への不安を可視化し、「これから何をすべきか」を明確にするための有効なツールとなります。収入・支出の両面から必要な対策を検討することができます。

実際のキャッシュフロー表については、日本FP協会のサイトで誰でも無料で利用できるツールを公開していますので、ぜひ参考にしてみてください。

さてキャッシュフロー表から見えてきた課題について、まず収入面でできることを検討してみましょう。50代になるとよほど高度な専門性やスキルがないと、年収アップにつながる転職は現実的ではありませんので、一般的にはできるだけ長く働いていくことが収入面を改善していく方法となります。

今の勤務先の制度を利用して定年後も嘱託や業務委託などで働く、あるいは今のうちから資格や専門スキルを磨き、それを活かして定年後に開業するなど、ご自身のキャリアへの考え方に沿った働き方を考えるのがおすすめです。

また、ある程度貯蓄がある方は「お金に働いてもらう」方法も一手です。iDeCoやNISAを利用して税金面でのメリットを活かしたり、リスクは伴いますが配当利回りの高い株式や投資信託等を保有して、給与や年金以外の収入を得るなどです。

貯蓄に関して最後にもう一つ触れておきます。いま現役で働いていて収入がある方で、子供の学費納入や住宅ローンが終わったという方は、これから退職までの間「貯蓄の黄金期」を迎えます。これらの支出をそのまま貯蓄または投資に回すことで、将来的なキャッシュフローの改善に大きく寄与することができます。

一方で、支出面については「生活サイズの変化に対応する」ことがまず大切になります。例えば子供が独立したときやご自身が退職したときなどは、食費を中心とした生活費を見直す絶好の機会です。また大型の死亡保障をつけた生命保険も子供の独立とともに必要性がなくなってくるので、見直すタイミングになります。そして中期的には自動車の保有や住まいの住み替えなど追々検討されるのもよいでしょう。支出面の見直しについては、次回のコラムでも少し具体的に触れていきます。

また、将来のキャッシュフローを考える際には、人生100年時代を見据えると今後30年40年という長い期間で避けられない「インフレ」の影響も見逃せません。物価上昇により、同じ貯蓄額でも実質的な購買力は徐々に低下していきます。

安心してセカンドライフを迎えるためには、インフレを前提にした=物価上昇率を織り込んだ長期資金計画を作成してみることも大切なポイントとなります。

ファイナンシャルプランナー
金井 孝二

 

 

 

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