【相続】「扶養義務者」の範囲は、意外と広い?
DATE26.10.26
こんにちは、ファイナンシャル・プランナーの藤原です。
今回テーマは、贈与税の非課税財産である「扶養義務者相互間の生活費又は教育費」における、扶養義務者についてです。
扶養義務者相互間における生活費又は教育費の贈与は、非課税
夫が、妻の生活費を払っている
親が、子の教育費を払っている
上記のようなケースでは、夫から妻への、親から子への、贈与となります。
しかし、その贈与された生活費や教育費については、贈与者と受贈者との関係性(夫婦や親子)からみて、課税対象とすることはふさわしくないとされ、贈与税はかからないことは、広く知られたところです。
これは法令においても、扶養義務者相互間において生活費又は教育費に充てるためにした贈与により取得した財産のうち通常必要と認められるものは、贈与税の非課税財産であると、明確に示されています。
扶養義務者とは?
それでは、法令における「扶養義務者」とは、どのような人のことなのでしょうか?
パッと思い浮かぶのは、冒頭例のように夫や親ですが、実は、扶養義務者の範囲は以下のように広いのです。
・配偶者
冒頭例(夫が、妻の生活費を払っている)が、このケースですね。
・直系血族
これも冒頭例(親が、子の教育費を払っている)が、このケースとなります。
そして、直系血族は親以外にも祖父母や子、孫なども含まれるので、「祖父母が、孫の学費を払っている」「子が、親を養っている」といったケース(実際、よくあるケースですね)も、贈与税は非課税となります。
・兄弟姉妹
たとえば、「兄が、弟を養っている」といったケースも非課税となります。
・家庭裁判所の審判を受けて扶養義務者となった3親等内の親族
※但し、生計を一にする者は、家庭裁判所の審判を要しない
3親等内(1~3親等)の親族とは、以下のとおりです。
1親等:父母・子(その配偶者含む)
2親等:兄弟姉妹(※)・祖父母・孫(その配偶者含む)
※本人の(配偶者側ではない)兄弟姉妹については、その配偶者も含む
3親等:叔伯父母(※)・甥姪(※)・曾祖父母・曾孫(その配偶者含む)
※本人の(配偶者側ではない)叔伯父母・甥姪については、その配偶者も含む
3親等の親族ともなると、それほど近しい関係ではない(場合によってはかなり疎遠)かもしれませんが、それでも、扶養義務者となるケースもあるのです。実際、「叔父が、甥の学費を払っている」「叔母が、姪の生活費を仕送りしている」といったケースは、決して珍しくはありません。
なお、※但し書きにある「生計を一にする」とは、同居の有無は関係なく、いわゆる「同じ財布で生活している」ことが基準となります。
扶養義務者からの贈与でも、非課税とならないことも
このように、扶養義務者の範囲は広いので、それが生活費や教育費のための贈与であれば、贈与税は非課税となるケースは多いことでしょう。
ただし、それはあくまでも「通常必要と認められる」贈与であって、一般的な感覚で(社会通念上)、「それは(そこまでは)いらないだろう」といった贈与は、非課税とはなりません。
また、贈与されたものを、すぐには使わずに、「預金にしておいた」「株や債券を買っておいた」ような場合も非課税とはならないので、注意が必要です。
ファイナンシャル・プランナー
藤原 久敏