ごえんをつなぐコラム

【企業】テーマ2:エフェクチュエーション②

DATE26.11.05

皆様、こんにちは。資格の学校TACで、企業経営アドバイザー検定試験の対策講座講師(担当:企業経営・生産管理)をしている、中小企業診断士の三枝元です。

前回は、不確実性の高い状況では、「未来を予測して、そこへ向かう」という考え方(コーゼーション)は通用せず、従来の計画を固定的に実行するだけでなく、変化を捉えながら柔軟に戦略を修正するというエフェクチュエーションの考え方が有効であると述べました。

今回は、エフェクチュエーションの5つの行動原理を紹介したいと思います。

エフェクチュエーションの5つの行動原理

サラス・サラスバシー(バージニア大学ダーデン・スクール教授)は、15年以上の経験を持ち、複数企業を創業した熟達起業家27名を調査し、共通する思考法を、5つの原則にまとめました。

① 手中の鳥の原則
今ある自分の資源・知識・人脈から始める。
② 許容可能な損失の原則
得られる利益ではなく、失ってもよい範囲で行動する。
③ クレイジーキルトの原則
顧客・協力者を巻き込み、一緒に事業をつくる。
④ レモネードの原則
予想外の出来事をチャンスに変える。
⑤ 飛行機のパイロットの原則
環境に受け身的に適応するのではなく、自ら行動し、偶然も取り込みながら未来をつくる

エフェクチュエーションでは、将来を予測して計画どおりに進めるのではなく、現在持っている資源や人脈を活用し、行動や他者との関わりを通じて未来を創り出していきます。

ドライフラワー店の例

エフェクチュエーションに沿った起業の進め方を、ドライフラワー店で考えてみると、次のような感じになります。

美香は38歳。会社員時代からドライフラワーが好きで、休日にリースやスワッグを制作していた。友人の勧めをきっかけに開業を考えたが、限られた資金で大きな店舗を構えるのではなく、自分の知識や技術、作品、花好きの友人との人脈を活用し、小さなイベントへの出店から始めた。

すると、完成品の販売だけでなく、「自分で花を選びたい」「一緒につくりたい」という顧客の反応が得られたため、量り売りやワークショップを開始した。

さらに、参加者の美容師から店舗装飾の依頼を受け、美容室やカフェからの注文にも発展した。美香は当初の計画に固執せず、顧客の反応や偶然の出会いを活かしながら事業を発展させた。その結果、「花を売る店」から「花を選ぶ・つくる・飾る体験を提供する店」へと、事業そのものが進化していった。

いくら事前に綿密に考えたところで、そのとおりに行くケースはごく稀です。手持ちの資源でスモールスタートで始め、予期せぬ事態から学び、出会いを大切にしながら、事業の方向性を練り上げていくという姿勢が大事です。

 

企業経営アドバイザー検定試験講座講師
三枝 元

 

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