ごえんをつなぐコラム

相続税が2割アップするのは、なぜ?

DATE20.05.25

こんにちは。ファイナンシャル・プランナーの藤原久敏です。

あなたが遺産を取得して、相続税額が100万円だったとします。

しかし、あなたが、死亡した人の妻や子供などといった「かなり近い身内」でなければ、その相続税額は120万円にアップしてしまいます。

 

これは「相続税額の2割加算」という、相続税計算の基本的なルールなのですが、意外と知られていなかったりもします。

このルールを知らないで、最後に2割もアップされると、ビックリしますよね。

そこで今回のコラムは、そんな「相続税額の2割加算」について説明します。

 

【2割アップされてしまう人とは・・・】

相続税が2割アップされる人より、「2割アップされない人」を覚えた方が早いです

その「2割アップされない人」とは
被相続人の配偶者
被相続人の一親等の血族(子・両親)と、その代襲相続人

つまり、被相続人の「かなり近い身内」ということです。

なので、その「かなり近い身内」以外の人が遺産を取得して、相続税を負担することとなった場合には、最終的に2割アップされるということです。

身内であっても、兄弟姉妹や孫(詳しくは後述)は2割アップされますし、ましてや、友人など赤の他人は、完全に2割アップの対象ということですね。

 

【2割アップされるのは、なぜ?】

一言で言うと、「それくらい、払えるだろう」ということ。

前述の通り、2割アップの対象となるのは、被相続人の「かなり近い身内」以外でしたよね。

「かなり近い身内」以外であれば、生活面において、被相続人との関わりはそれほど大きくはなく、被相続人が亡くなっても、これからの生活には大きな影響はないはずです。言い方は悪いですが、状況としては、「遺産が転がり込んできた」と言えなくもありません。

であれば、「それくらい、払えるだろう」ということなのです。

ちなみに、(2割アップの対象とはならない)「かなり近い身内」であれば、生活面において、被相続人との関わりは大きく、これからの生活は大きく変わってしまうかもしれません。そうなると、今後の生活費も、その遺産に頼らないといけない可能性もあるわけですから、2割アップは少し酷ですね。

また、孫については、「世代を1つ飛び越しての財産移転となり、相続税の課税を1回免れるから」との理由もあるようです。

 

【「孫」には、要注意】

さて、そんな孫については、少々ややこしいので、要注意です。

まず、孫は「かなり近い身内」以外なので2割アップの対象ですが、「子の代襲相続人(※)」の立場であれば、2割アップとはなりません。

※被相続人死亡時に、その相続人である子が(死亡・欠格・排除によって)すでに相続権を失っている場合、その孫

が、その子の相続権を引き継ぐこと

ここまでは、いいですよね?

ただし、孫が、被相続人の「養子」となっている場合(いわゆる孫養子)は、気を付けましょう。

本来、養子は「子」の立場なので、「かなり近い身内」として、2割アップの対象外です。

しかし、孫養子については2割アップの対象となるのです。すなわち、孫以外の人が養子になれば「2割アップ対象外ですが、孫が養子になると「2割アップ対象」ということですね。

ただし、その孫養子が「代襲相続人」である場合は、「2割アップ対象外」となります。

 

ちょっとゴチャゴチャしてきましたので、まとめます。

・孫           →2割アップされる
孫(代襲相続人)    →2割アップされない
・孫(養子)       →2割アップされる
孫(養子かつ代襲相続人)2割アップされない

つまり、孫については、「代襲相続人」の立場であれば、2割アップされないということです。

相続絡みの試験においても、「相続税額の2割加算」の論点が出題された際には、孫の扱いについては頻出です。

それくらい、カン違いも多いところです。

また、実際の相続においても、カン違いするとやっかいなところなので、当コラムにおいて知識をまとめていただければ幸いです。

ファイナンシャル・プランナー

藤原久敏

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