【企業経営】ブランドステートメントについて
DATE25.08.05
皆様、こんにちは。資格の学校TACで、企業経営アドバイザー検定試験の対策講座講師(担当:企業経営・生産管理)をしている、中小企業診断士の三枝元です。
事業者の方に伺うと、「ブランド化が課題である」と言われることがよくあります。
しかしながら、ホームページを見ると、製品やサービスの説明はあっても、「どのようなブランドなのか(どのようなブランドになりたいか)」が説明されていないことがよくあります。
「顧客にどのようなブランドなのか認知されなければ、ブランド化は困難になります。まずは、ブランドステートメントを策定することから始めましょう。
■ブランドステートメントとは
ブランドステートメントとは、ブランドの憲法と呼べるもので「顧客にどのようにブランドを捉えてほしいかを文章化したもの」です。
言い換えれば、「どのような価値を提供するのかを表明し、約束するもの」ということになります。
ブランドステートメントは経営理念と類似するものですが、経営理念が社内外のステークホルダー全体に示すものであるのに対し、ブランドステートメントは対市場・対顧客に示すものです。
ただし社内的にも今後のマーケティング政策上の判断の拠り所になり、また求職者へのアピールにもなります。ブランドステートメントが確立されていない場合、各企業活動の方向性がバラバラになりかねません。
一貫したブランドコミュニケーションを作る核となるのが、ブランドステートメントですので、
ブランドステートメント(経営理念も同様)の策定にあたっては、代表者個人が行うのではなく、納得性を高め組織内での浸透を図るためにもチームを組織して策定することが望ましいです。
■ブランドステートメントをどう表現するか
ブランドステートメントは、ブランドエッセンス(約束)、ブランドパーソナリティ(雰囲気)、機能的価値、心理的価値(製品特徴)などの要素を次のように編集し、文書化します。
(ブランドエッセンス)
・ブランドXは、顧客に○○を約束し、
(ブランドパーソナリティ)
・同時に〇〇のような性格や雰囲気を持ちます
(ブランドターゲット)
・ブランドXは○○のような人たちに、
(事業、商品、コア技術などの具体的な特徴)
・〇〇を通じて
(機能的価値と心理的価値)
・〇〇のような便益と〇〇という気分をもたらします。
引用:『ビジュアル マーケティング・フレームワー』原尻淳一著 日本経済新聞出版社
企業経営アドバイザー検定試験講座講師
三枝 元