ごえんをつなぐコラム

【企業経営】企業が採用活動で見るべき応募者の能力(1)

DATE23.02.01

皆様、こんにちは。資格の学校TACで、企業経営アドバイザー検定試験の対策講座講師(担当:企業経営・生産管理)をしている、中小企業診断士の三枝元です。

今回は、企業が採用活動で見るべき応募者の能力について取り上げます。

 

■変わりやすい能力、変わりにくい能力

能力というと、「努力次第で伸ばせるものなのか、それとももともと遺伝的に備わったものなのか」という議論があります。

実は、能力には「比較的簡単に変化する能力」「可変的だが変わりにくい能力」「非常に変わりにくい能力」の3つがあります。産業・組織心理学分野の研究者であり、コンサルタントでもあるブラッドフォードは、「変わりやすい能力」「可変的だが変わりにくい能力」「非常に変わりにくい能力」として、次のことを挙げています。

<比較的簡単に変化する能力>

リスクに対する志向性、(技術的・知識的に)最先端であること、教育、経験、自己に対する知識、コミュニケーション(口頭・文章)、第一印象、顧客志向、コーチング能力、目標設定、エンパワーメント

<可変的だが変わりにくい能力>

判断能力、戦略的スキル、ストレスマネジメント、適応力、傾聴、チームプレー、交渉スキル、チームビルディング、変革のリーダーシップ、コンフリクトマネジメント

<非常に代わりにくい能力>

知能、創造性、概念的能力、部下の鼓舞、エネルギー、情熱、野心、粘り強さ

 

■採用担当者は応募者のどこを見るべきか? 

ブラッドフォードは、「簡単に変化する能力」は採用後に育成できるのだから採用段階において力点を置いて見る必要はなく、「非常に変わりにくい能力」については、採用段階でしっかり見ておかないと、後で教育しようがないと主張しています。

一般的に企業は、口頭でのコミュニケーション能力を重視するきらいがあります。グループディスカッションでも個人面接でも、はきはきとした受け答えは面接官に好印象を与えます。日本企業の実に80%以上が、自社の選考の際に重視してる基準として口頭でのコミュニケーション能力を挙げています。

しかしながら、口頭でのコミュニケーション能力は、ある程度経験を積めば大いに改善することができます。つまり、採用段階での優先度はそこまで高くないといえます。入りたての頃は、おどおどしていて自信なさげであったのに、経験を積む過程でだんだんと自信を持って主張できるようになるというのはごく一般的に見られることです。

その一方で、IQに代表される知能、創造性、ものごとを概念的にとらえる概念的能力、またその人が持っているエネルギーの高さや、部下を鼓舞する能力などは、非常に変わりにくいとされます。よって、採用段階できちんと見極める必要があります

企業経営アドバイザー検定試験講座講師
三枝 元

→企業が採用活動で見るべき応募者の能力(2)はこちら

(参考文献)
・服部 泰宏.採用学.新潮社.2016

 

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