ごえんをつなぐコラム

【企業】意思決定のゴミ箱モデル

DATE26.04.01

皆様、こんにちは。資格の学校TACで、企業経営アドバイザー検定試験の対策講座講師(担当:企業経営・生産管理)をしている、中小企業診断士の三枝元です。

組織の問題解決においては、合理的な意思決定手順を踏まえる必要がありますが、そうはならないケースも多く見られます。組織の意思決定の現状を表したものに、意思決定のゴミ箱モデルがあります。

意思決定のゴミ箱モデルとは、組織の意思決定が必ずしも合理的でなく、問題、解決策、参加者、選択機会の4つの要素が偶然に結びついて起こると考えるモデルのことです。

選択機会 (Choice Opportunity): 意思決定の「場」や「機会」を指します。定例会議や、問題解決の議論が起こりそうな状況などです。
問題 (Problem): 意思決定が必要とされる課題や、解決すべき問題です。
(Solution): 問題の解決策や、生み出されるアイデアです。問題とは無関係に生み出されることもあります。
参加者 (Participants): 意思決定の場に集まる人々です。様々な人が参加し、他の選択機会から参加していることもあります。

<例>
状況:A社では、「組織の風通しが悪い」「意思決定が遅い」という問題があった。
決定内容:業務担当役員の強い意見により、経営会議の結果、最新トレンドという理由で「AIを活用した業務自動化プロジェクト」がスタートした。
結果:AI導入は業務効率化には役立ったが、組織の風通しや意思決定プロセスの問題は放置されたままであった。

この場合、参加者の業務担当役員がAIを活用した業務自動化の実行」に強い希望を持っていて、「組織文化・意思疎通の刷新」という課題とは無関係に「「AIを活用した業務自動化」が解として選択されてしまったということになります。

このような問題や課題と解決策が噛み合っていないというケースは多く見られます。

本来、問題解決は、次のプロセスに沿って行われます。

●問題の特定と定義: 何が問題なのかを明確にする。
●情報収集と分析: 原因を分析し、データを集める。
●解決策の創出: 可能な解決の選択肢を洗い出す。
●解決策の評価と選択: 各選択肢のメリット・デメリットを比較し、最適なものを選ぶ。
●実行と評価: 選択した解決策を実行し、結果を評価する。

目標と優先順位を明確化し、論理的に因果関係を解明するという問題解決行動の構造化が求められます。

 

企業経営アドバイザー検定試験講座講師
三枝 元

 

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