【相続】遺言書、よくある勘違い3選
DATE26.03.23
[遺言書、よくある勘違い3選]
遺言書を書けるのは、40歳くらいからなんでしょ?
遺言書に書いたことは、絶対に守らないといけないんでしょ?
遺言書に書いたことは、そう簡単には撤回できないんでしょ?
こんにちは、ファイナンシャル・プランナーの藤原です。
普段、お金のセミナーや相談、FP関連の講義などをしていると、冒頭のような、遺言書についての誤解をよく耳にします。
誰もが知っている「遺言書」という存在、しかしイメージだけが先行して、意外と知られていない(誤解の多い)「遺言書」のルール。
そこで今回は、そんな遺言書について、よくある誤解を3つ、取り上げたいと思います。
遺言書は、満15歳以上から
ある程度の年齢にならないと、遺言書は書けない(書く資格がない)と思い込んでいる人は少なからずいます。冒頭のように40歳くらいから、と思っている人もいれば、60歳や65歳くらいからと思っている人もいるかもしれませんね。
たしかに、20代や30代といった若い世代が、ましてや10代で遺言書を書くイメージはあまりありません。
しかし、満15歳以上で、意思能力があれば、誰でも遺言書を書くことはできるのです。
遺言書の内容は、「絶対」ではない
たとえば、遺言書に「財産は妻、長男、長女で3分の1ずつ」と書いてあれば、基本的には、財産はそのように分けることになります。遺言書があれば、その内容は、亡くなった人の最終意思なのですから、それはもちろん、最大限尊重されるべきですからね。
しかし、遺言書があったとしても、相続人全員の同意があれば、遺言書の内容とは異なる分け方をしてもよいのです。
遺言書の内容は「絶対」、すなわち、絶対に遺言書に書かれたとおりに分けないといけないと思っている人は意外と多いのですが、実は、そんなことはないのです。
前述のケースでは、たとえば妻が、「遺言書には3分の1ずつと書いているけど、ここは法定相続分(妻1/2・長男1/4・長女1/4)で分けましょう」と提案し、それに対して(遺言書の分け前よりも取分は少なくなってしまうが、それでも)長男と長女が納得さえすれば、そのように分けてもよいのです。
ちなみに、相続人以外にも、遺言書によって財産を取得する人(受遺者)がいる場合には、その受遺者の同意も必要となります。
遺言書の内容は、いつでも撤回・変更できる
たとえば、「長男に車を相続させる」といった内容の遺言書を書いたものの、やっぱりやめたいと思えば、新たに、「前の遺言書の内容を撤回する」との遺言書を書けばOKです。
また、考えが変わって、やっぱり長男ではなくて長女に車を相続させたいと思えば、新たに、「長女に車を相続させる」との遺言書を書けば、自動的に、前の遺言書の内容(長男に車を相続させる)は変更されたことになります。
すなわち、新たに遺言書を書くことによって、いつでも、前に書いた遺言書の内容を撤回・変更することができるのです。
ちなみに、遺言書の内容と矛盾する行動(今回のケースであれば、「車を友人に売却する」「車を廃車にする」など)をしても、その遺言書の内容については、撤回したことになります。
また、自筆証書遺言(自筆証書遺言保管制度を使わず、自宅保管の場合)であれば、遺言書そのものを破棄すれば、やはり撤回したことになります。
このように、遺言書の内容を撤回・変更することについては、何ら厳しい条件があるわけでもなく、小難しい手続きが必要となるわけでもないのです。
いったん遺言書を書いてしまったら、そう簡単には撤回・変更できないと思い込み、それゆえ、遺言書を書くことを躊躇している人には、ぜひ、知っておいてほしいところですね。
ファイナンシャル・プランナー
藤原 久敏