【DX】みんなの困りごとの話⑤ ~ 電子契約にハンコは必要?勤怠管理システム導入のメリットとは? ~
DATE26.03.16
皆様、こんにちは。資格の学校TACで、DX経営アドバイザー検定試験の対策講座講師(実践編)を担当している、中小企業診断士・ITコーディネータの木佐谷康です。
みんなの困りごとシリーズ第5回のテーマは、電子契約と勤怠管理など総務・人事に関する困りごとPart1です。
電子契約のメリットは省力化と収入印紙代削減
総務部門のテレワークを阻む業務の一つに、契約書の押印・管理があります。紙の契約書の場合、契約内容に合意した後に印刷、製本や割り印、郵送、相手方が押印して返送されてきた契約書のファイリングなど、多くの手間と時間がかかっていました。
電子契約を利用すれば、これらの手間と時間が大幅に削減でき、オンライン上で契約締結が完了します。
電子契約のもう一つのメリットは、収入印紙が不要な点です。印紙税法では、契約書にはその契約条件に合わせた金額の収入印紙を貼付して消印することが定められています。
しかし、電子契約は印紙税法が課税対象としている文書に該当しない電磁的記録であるため印紙税法の対象外となり、収入印紙が不要になるのです。
契約書の印紙税額は、契約の目的物やその金額によって違いがあり、例えば2億円の不動産の譲渡や建設工事の請負では6万円(令和9年4月1日以降は10万円)の収入印紙が必要です。契約金額が高額になる傾向がある不動産業や建設業では、収入印紙代の削減効果が非常に大きくなることから、電子契約が急速に広がりました。
一方、電子契約が普及し始めた2020年ごろ、経営相談の窓口で以下のような相談を受けたことがあります。
相談者:電子契約を締結して契約書を印刷したところ、赤いハンコが見当たらないのだが、、
契約書として有効でしょうか?
回答:電子契約システムを介して締結した電子契約であれば有効と思われます。
根拠:いわゆる電子署名法では、「電磁的記録(電子文書等)は、本人による一定の電子署名
が行われているときは、真正に成立したものと推定する。」とされています。
日本でリリースされている主な電子契約システムは、法律の要件に従った電子署名の仕組みが取り入れられているため、有効な電子署名が施されていると思われます。
法律上はハンコ(印影)が無くても有効ですが、上記のような疑問や不安を無くすために、日本で開発された電子契約システムでは印影を登録して電子署名時に押印?できるものもあります。
働き方改革にも有効な勤怠管理システム
残業時間の上限規制や月60時間超残業に対する割増賃金率引き上げ、年次有給休暇の取得義務化、勤務間インターバルの導入促進など、いわゆる働き方改革関連法の施行に伴って、勤怠管理の重要性が高まっています。
これまで、タイムカードや出勤簿などで勤怠管理を行ってきた中小企業も、勤務時間や有休の取得状況などを従業員ごとに細かく管理する必要が出てきたことから、勤怠管理システムを導入する企業が近年増えています。
勤怠管理システムは、法律で求められる管理者側の負担軽減だけでなく、従業員側にも数多くのメリットをもたらします。有給休暇の申請・承認はスマホで完結するようになり、打刻忘れの場合もアラートで気づくことができます。
また、打刻するデバイスもICカードやスマホ、パソコンなどが選択できる製品もあり、スマホのGPSとの連携機能を利用すれば、社外でも勤怠状況が把握できるために場所を選ばない働き方も可能です。
今後も人手不足や採用難は継続することが予想されることから、中小企業にとっても従業員が働きやすい環境を整え、採用でアピールしていくことが求められます。
DX経営アドバイザー講座講師
木佐谷 康