ごえんをつなぐコラム

四格を育む②

スポーツの力が地域活性化に~都市対抗野球から

DATE18.09.07

郷土の期待を背負って魂をぶつけあう野球の全国大会、都市対抗野球が甲子園の高校野球より一足早く7月13日に東京ドームで開幕した。当協会がJR中央線を挟んで試合会場からはすぐ南側に所在するため、私は出場チームや対戦日程がとても気になっていた。金融機関のチームとしては、見事東北地区の第二代表となった七十七銀行が7月17日に神戸・高砂市の三菱重工神戸・高砂と対戦することになった。両代表とも大震災から復興してきた地域の代表という点では感慨深いものがある。今回、私は、1塁側の七十七銀行の応援席に座らせて頂いた。事前に対戦カードの見どころを特集雑誌で把握していたのでゲームそのものをイメージしていたのだが、入場時に頂いた七十七銀行の選手紹介の一覧から、○○支店とか△△課といった各選手の所属の職場を見たとき、目の前でプレーしている選手が銀行のそれぞれの職場で活躍している姿を想像せずにはいれなかった。試合内容は6対1で残念ながら七十七銀行は敗退してしまったが、1階のネット裏席からライトのポール際までを埋め尽くす圧倒的な応援を背に受けて、最後まで諦めずにプレーした選手の皆さんに心から敬意を表したいと思う。

毎日新聞によると、主将の中井隆盛選手は扇町支店で窓口で接客を担当され支店のムードメーカーだと、また投手の鈴木貴也選手は新伝馬町で営業を担当され、お客様から声をかけてもらって野球の話題で盛り上がるそうだ。

金融界では、フィディシュアリーデューティー(顧客本位の事業推進)が求められている中で益々金融機関職員と顧客との間でのコミュニケーションや対話が求められるようになってきている。

七十七銀行の野球部の皆さんが真摯に野球に取り組んでいる姿を通じて、地元の人たちと心を通わせ、悩みや課題の解決の糸口になっている、そして更にそれが地域の活力へとつながっていくのではと思う。

野球だけではなく、地方銀行ではバスケットボールなど他のスポーツに取り組んで地域の活性化に取り組んでいるケースも多い。ある地銀の女子バスケットボールチームの選手たちも配属された支店でスポーツ選手らしい明るく溌剌とした雰囲気で職員やお客様に接することで、様々な面で好影響が出て来たという話を聞いたことがある。

顧客の本音に迫ったり、課題の本質を聞き出したりすることは、決して簡単ではないと思うが、地元の人たちと共に感動する話題から、対話を深めていく姿が心に浮かぶ7月17日、まさに七十七(7・17)銀行の一日であった。

一般社団法人日本金融人材育成協会理事
飯田 勝之

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