ごえんをつなぐコラム

【相続】おひとり様の遺産は、どうなるの?

DATE22.04.21

こんにちは、ファイナンシャル・プランナーの藤原です。
今回のテーマは、まったく身寄りのない人の遺産はどうなるのか…です。
すなわち、配偶者や子どもがおらず、親はすでに他界し、兄弟姉妹や近しい親戚がまったくいないような人が亡くなった場合、その人の預貯金や家などは誰が受け継ぐのかについて、取り上げてみたいと思います。

【おひとり様の遺産は、国のもの?】
結論から言うと、身寄りのない人(相続人がいない人)の遺産は、最終的に、国のものになります。この「国のものになる」については、何となく知っていたという人も多いかと思います。
ただ、それはあくまでも「最終的に」であって、相続人がいないからと言って、その遺産がいきなり「国のものになる」わけではありません。おひとり様の遺産が「国のもの」になるまでは、以下のような、一連の手続きがあるのです。

【国のものになるまでの手続きの流れ】
・家庭裁判所に相続財産管理人の選任申立をする
選任申立できるのは、「利害関係人」や「検察官」です。

・相続財産管理人が選任され、債権者等に対して請求申出を公告する
相続財産管理人(弁護士等の専門家であることが多い)が選任され、亡くなった人にお金を貸していた債権者等がいれば、その債務の清算を行います(遺産から借金を返済する)

・相続人捜索と、相続人不存在の確定
次に、相続人の捜索を行って、本当に相続人がいないのかを確認し、相続人がいないことを確定させます。

・特別縁故者への財産分与
本当に相続人がいないことが確定した上で、特別縁故者がいれば、彼らに遺産を分与します。
ちなみに特別縁故者とは、「相続人ではないが、被相続人と関係が深かった人」のことで、主に、以下の者が挙げられます。

・被相続人と生計を同じくしていた者(内縁の配偶者、事実上の養子等)
・被相続人の療養看護に努めた者
・その他被相続人と特別の縁故にあった者
もちろん、自己申告で誰でも勝手に特別縁故者となれるわけではなく、特別縁故者に該当するか否かは裁判所の判断によります。

・遺産が残存している場合、国庫に帰属

これら一連の手続きを経て、遺産が残存している場合には、その遺産は、最終的に国のものになるのです。

【国のものになるのであれば、、、】
自身の遺産が、最終的に国のものになるくらいなら、お世話になったあの人に遺したい、、、と思うおひとり様も多いことでしょう。
その場合、生前に遺言書を作成することで、遺産を遺したい相手に、しっかり遺すことができます。その相手は、遠い遠い親戚でも、血のつながっていない人(友人・知人等)でも構いませんし、会社や団体、市町村や学校でも構いません。遺言書で遺産を遺す相手は、相続人でなくても、誰でも構わないのですから。
なので(相続人のいない)おひとり様であっても、遺言書は大きな効果を発揮します。
そして、(相続人がいないので、何もしないと、最終的にはその遺産は国のものになってしまう)おひとり様だからこそ、普段から、遺産を遺したいと思える相手を意識しておくことも大切かもしれませんね。

ファイナンシャル・プランナー
藤原 久敏

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