【企業】カスタマーロイヤルティ③
DATE25.11.04
皆様、こんにちは。資格の学校TACで、企業経営アドバイザー検定試験の対策講座講師(担当:企業経営・生産管理)をしている、中小企業診断士の三枝元です。
前回、前々回に引き続き顧客ロイヤルティについて考えてみたいと思います。今回は、「真のロイヤルティ」を測る尺度をご紹介いたします。
■ホッケースティック・ロイヤルティ
事業者やマーケターであれば、何とか好意的な口コミを獲得したいと思うでしょう。その際に参考になるのが、ホッケースティック・ロイヤルティです。
顧客のリピート率は、満足度と直線的な比例関係を示すのではなく、最高度の満足に達したときに突然リピート率が高まる傾向があり、これをホッケースティック・ロイヤルティといいます。

たとえば5段階の顧客満足度調査で、満足度を3から4にするのと、4から5にするのとでは、その効果はまったく異なります。そこそこの満足度(満足度3や4)では、リピートや口コミにはまったく繋がらないのです。
好意的な口コミを拡げてもらうには、真のロイヤルカスタマーになってもらうしかありません。口コミに繋げるには、「満足度4を得ているのでまあまあかな」と甘受するのではなく、満足度5を獲得する必要があります。
■NPS(ネット・プロモーター・スコア:推奨者の正味比率)
NPSとは、製品やサービス、ブランド、企業に対するロイヤルティの指標を測るためのものです。
究極の質問である「あなたはそれを友人や同僚に薦めたいと思いますか?」という問いに対する答えを、0から10の11段階で調査します。
10から9をプロモーター(推奨者)、8から7をニュートラル(中立者)、6以下をデトラクター(非難者)に分類します。推奨者であるプロモーターが占める比率から非難者であるデトラクターが占める比率を差し引いた数値がNPSとなります。
したがってNPSの数値は、推奨者が非難者より多ければプラスになり、非難者の方が多ければマイナスになります。たとえばプロモーターが30%、デトラクターが15%の場合、NPSは15%となります。
顧客アンケートを実施する際に、「あなたはそれを友人や同僚に薦めたいと思いますか?」という問いを用意し、あなたのビジネスへの忠誠心が上がっているか確認してみるとよいでしょう。
NPSが50%以上だと非常に優秀、30~49%だと優秀、0〜29%だと標準から良好、0未満だと改善が必要というレベルになります。
企業経営アドバイザー検定試験講座講師
三枝 元