【相続】相続放棄をしても、遺言で財産を受け取れるの?
DATE26.02.24
こんにちは、ファイナンシャル・プランナーの藤原です。
今回のテーマは、「相続放棄と遺贈」です。
相続放棄をすれば、財産承継を一切拒否できる
相続放棄をすれば、最初から相続人ではなかったこととされ、亡くなった人の財産を一切引き継ぐことはありません。
ですので、もし亡くなった人に借金(マイナスの財産)があったとしても、その借金を引き継ぐことはありません。そのかわり、預金や不動産といったプラスの財産も、引き継ぐことはできませんが。。。
ちなみに、相続放棄をするには、原則として、相続開始を知ったときから3ヵ月以内に、家庭裁判所に申述しなければいけません。
この相続放棄の手続きをしないままにしていると、相続人は、亡くなった人のすべての財産を引き継ぐことになってしまう(単純承認)ので、残された借金が多い場合などは、相続放棄を検討するケースも少なくないことでしょう。
相続放棄をしても、財産を受け取れる?
さて、ここで問題なのが、相続放棄をした人が、遺言にて、財産の受取人に指定されている場合です。
なお、遺言にて、財産を受け継がせることを「遺贈」と言い、遺言にて、財産を受取る人を「受遺者」と言います。
そして、この遺贈は、誰に対しても行うことができます。
ですので、結論から言えば、相続放棄をした人が、遺言によって、亡くなった人の財産を受取ることは可能なのです。
相続放棄と遺贈は、別もの
ですが、これは一般的な感覚としては、ちょっとズルい感じがしますよね。
なぜなら、相続放棄と遺贈を(上手く?)組み合わせることによって、やりようによっては、相続放棄によって借金(マイナスの財産)を逃れておきながら、遺贈によってプラスの財産を受取ることができるのですから。
しかし、法律上は、相続放棄と遺贈とは別ものなので、相続放棄をしていても、遺贈の効力には影響はありません。相続放棄によって、「相続人」としての権利を放棄したからといって、「受遺者」としての権利まで放棄したわけではありませんから。
ですので、繰り返しになりますが、相続放棄をした人が、遺言によって、亡くなった人の財産を受取ることは可能なのです。
お金を貸していた人は、納得できるのか?
とは言え、現実問題としては、亡くなった人にお金を貸していた人(債権者)は、これには到底、納得いかないところでしょう。
相続放棄によって、借金をチャラにしておきながら、遺贈によって、ちゃっかり財産だけは引き継ぐなんて、ちょっと虫が良すぎますからね。
ですので、実際には、その相続放棄と遺贈の組み合わせが、亡くなった人の債権者に不利益となるような場合には、詐害行為取消権によって、当該遺贈が取り消される可能性は十分あるわけです。
やはり世の中、そんな虫の良い、上手い方法はないというわけですね。
ファイナンシャル・プランナー
藤原 久敏