【企業】カスタマーロイヤルティ②
DATE25.10.02
皆様、こんにちは。資格の学校TACで、企業経営アドバイザー検定試験の対策講座講師(担当:企業経営・生産管理)をしている、中小企業診断士の三枝元です。
前回に引き続き顧客ロイヤルティについて考えてみたいと思います。
■顧客は伝道者・人質・傭兵・テロリストに分かれる
顧客は「顧客満足度が高いか低いか」「スイッチング性向(他社に乗り換える可能性)が高いか低いか」で4つに分類することができます。
<伝道者>
顧客満足度が高くスイッチング性向が低い顧客は「伝道者」です。よい口コミを拡げてくれて自社に顧客をもたらしてくれます。前回の「真のロイヤルティ」を獲得している顧客と考えて良いでしょう。
<傭兵>
顧客満足度は高いですが、他社に乗り換える可能性が高い顧客は「傭兵」です。もともと1社に固執する気がない顧客ともいえます。
<人質>
顧客満足度が低いが、他社に乗り換える可能性が低い顧客は「人質」です。地元に他に選択肢がないので仕方がなく自社を使っている顧客が典型例ですが、いまさら他社にスイッチするのが億劫な人、入会金等相応の投資をすでにしてしまい他社に乗り換えることができない人なども該当します。要は囲い込まれている顧客です。前回の「見せかけのロイヤルティ」の顧客層と考えてよいでしょう。
<テロリスト>
顧客満足度が低く、さらにスイッチング性向が高い顧客は「テロリスト」です。悪いクチコミをばらまく可能性があります。
■とりわけ重要なのは「伝道者」と「テロリスト」のマネジメント
4つの顧客層のうち、とりわけ重要なのは「伝道者」と「テロリスト」のマネジメントです。
「伝道者」はよい口コミを拡げ顧客をもたらしてくれますから、引き続き満足度を維持する必要があり、また他の顧客を「伝道者」に引き上げる努力をする必要があります。
一方、「テロリスト」は悪い口コミを拡げる恐れがありますから、なんとか中立化させる必要があります。
売り手側はすべての顧客の満足度を上げようと考えがちですが、満足度が低い顧客を満足度が高い顧客に引き上げることは至難の技です。
企業経営アドバイザー検定試験講座講師
三枝 元